「華氏451度」とネット時代の焚書坑儒

2021年6月18日

    2021614日、NHK Eテレ"100de名著"で「華氏451」をしていた。

「華氏451度」はレイ・ブラッドベリによって1953年に書かれたSF小説で、題名の華氏451度は紙が燃え始める温度の華氏451度(摂氏233度)を意味している。本の所持や読書が禁止された架空の時代で、本が見つかれば、昇火士(ファイアマン)が駆けつけ本を焼却し、所有者は逮捕される。

テレビでは「本が劣化したいきさつは、ラジオ・テレビなどが大衆の心をつかみ、中身は単純化され、映画・ラジオ・雑誌・本のレベルが落ちた。

高速化した社会では、哲学・歴史・語学といったものが、役に立たないものとして疎んじられる。時間がない中で、すぐに楽しめるスポーツのような娯楽や、活字を減らしてマンガやグラビア写真のページを増加させた雑誌が持て囃される。メディアは、どんな人にも不快が起こらないように配慮し、どれも当たり障りのない同じような内容になっていく。

焚書の引き金を引いたのは、技術の進歩と大衆搾取と少数派からのプレッシャーだ。人が本を読まなくなった理由は、社会の加速化、反省的思考から反射的思考への変化、事なかれの低俗化・均一化だ。抗議の声を恐れて、表現者が自ら表現を手放していく」と放送していた。

 

今年(20201月)になって、Yahoo!やGoogleで"徳永勝人"を検索すると、2020年末1ページ目に載っていた「徳永先生のメタボリック教室」が、突然9ページ目に急落した。20201229日に、メタボ教室第825段に「新型コロナの感染拡大」をアップした直後からだ。

友人は「Googleペナルティではないか。GoogleAI(人工知能)でワードを検索し、削除している。今年初め、新型コロナに関するSNSが、大量に削除された。Googleは、C国と深い関係にある。内容とは関係なく、新型コロナ、ワ〇チン、〇源、〇漢などのワードが引っかかったのではないか」と言う。

当時、トランプ大統領がC国〇源説を唱えていたが、米国のメディアはフェイクニュースとして扱っていた。210日、WHO調査団は「C国が〇源ではない」と結論付けた。

Googleペナルティは手動と自動の2種類あり、手動ペナルティは削除など厳しいペナルティになるが、警告メッセージが送付されるので、どの部分がよくないかわかり修正できる。自動ペナルティはサイトの順位が急速に下がり、どの部分がよくないのかわからないので修正が難しい。

パソコンの日本での検索シェアは、1 Google 67%2 Yahoo25%、3 Bing 7%となっている。Yahoo!はGoogleの検索技術を使っており、Googleとほぼ同じだ。引っかかりそうなワードを削除したが、半年経ってもGoogleペナルティはかかったままだ。

 

「華氏451度」は、68年前に執筆されたものとは思えないほど、現代社会に当てはまる。日本のSNSの検索は、大国やGAFAに握られている。削除や検索ランキング低下を一瞬で行なうことができ、記憶や思想をコントロールされる可能性がある。紙媒体の新聞・雑誌・本の方が、一瞬で削除されるネットより、安全・安心な記録・思考の伝達法なのかもしれない。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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