大阪医療非常事態宣言とイギリス型変異株

2021年4月10日

  202147日、吉村洋文大阪府知事は「医療非常事態宣言」を発令した。

48日午後0時、大阪の街の人通りは少ない。大阪府、兵庫県(神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市)、仙台市に45日から55日まで、「まん延防止等重点措置」が出されたためか、馴染みの和食店は閉店になった。淋しい限りだ。「和のえひろ」で"れんこ鯛の煮付け定食 表示"を食べた。カウンターはアクリル板で仕切られ、客は食事の前後にマスクをしている。

午後130分、職場で「安全衛生委員会」のリモート会議があった。私は「大阪の新規感染者数は過去最高の878人と急激に増加し、昨日大阪府全域に、"医療非常事態宣言"が発令された。大阪では、感染力が1.7倍、重症化率が1.6倍のイギリス型の変異株が主流となり、重症病床使用率は70.5%となっている。マスク会食を徹底し、5人以上の会食は避けて下さい」と発言した。

 

前日の47日午後130分、大阪府庁新別館南館8階で「第44回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議」が開催された。

座長の朝野和典大阪大学感染制御学教授は「第4波では60歳以上の陽性者の占める割合が少なく、若年者の中でも10代の陽性者も多いことが特徴である。変異株はすでに大阪では全体の70%を超えており、第4波の急激な増加は変異株による影響が大きい」。

副座長の掛屋弘大阪市大臨床感染制御学教授は「直近2週間の患者急増により、重症病床利用率が急増し、医療体制は緊急事態となっている」。

大阪府病院協会会長の佐々木洋委員は「大阪の医療は逼迫している。医療機関の能力に応じて、重症、中等症、軽症、コロナ治療後のリハビリや体力回復など、担当すべき役割を明確にし、病床確保を図るべきである」。

大阪府医師会長の茂松茂人委員は「感染者のうち、居酒屋や飲食店での滞在割合が3月末から突出しており、緊急事態宣言解除による行動範囲の多様化が影響している。若年層を中心に、変異株が拡がったことも考えられる」。

大阪市立総合医療センター感染症内科医長の白野倫徳(みちのり)委員は「第3波までと比べ、新規感染者数が増え始めてから重症者数が増えるまでの期間が短い。4050代の比較的若年の重症者も増え、重症化までのスピードが速くなり、小児例も増えている」。

りんくう総合医療センター感染症センター長の倭(やまと)正也委員は「卒業式、歓送迎会などのイベントが重なったことと、N501Y変異株の影響がある。重症224床の確保病床数を超える可能性が高い。重症病床確保に向け、待機できる手術の延期や救急医療の病院間の振り分けについて、大阪府は早急に方針を示す必要がある」と述べられている。

りんくう総合医療センターの山下静也理事長は、阪大2内循環器脂質研の5年後輩で、新型コロナ感染症基幹病院のトップとして、先日、新聞第1面に載っていた。私も1988年、第9回日本肥満学会で「理想体重=(身長)2×22 」を発表した時、新聞の第1面に載ったことがある。

新型コロナ第4波はイギリス型変異株で、感染拡大のスピードが速く、重症化しやすいため、大阪・兵庫の医療が逼迫している。高齢者の私にとって、心筋梗塞や脳梗塞など3次救急病院で医療を受けられなくなることが心配だ。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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