新型コロナパンデミックと自粛社会

2020年3月29日

  2020328日、安倍晋三首相による「新型コロナウイルスの感染拡大」に関する記者会見があった。

午後6時、安倍首相は「国内の感染状況は欧米と異なり、ギリギリ持ちこたえているが、気を緩めるといつ急拡大してもおかしくない。長期戦を覚悟する必要がある」と、自治体などによる外出自粛・イベント自粛要請に応じるよう求めた。

新型コロナウイルスの世界的拡大が止まらない。中国から、ヨーロッパ、アメリカへと移り、イタリアなどでは医療崩壊に陥っている。328日現在の世界の感染者数は601478人で、アメリカ104837人、イタリア86498人、中国81948人、スペイン65719人、ドイツ53340人、死亡者数は世界で27862人となっている。

日本の感染者数は1535人で、東京363人、大阪176人、北海道172人、愛知164人、兵庫126人で、死亡者数は53人となっている。

世界保健機関WHOのテドロス事務局長は326日「何も対策を講じなければ、死亡者数は数100万人に達する」と警告した。

テレビでは「5年前、ビルゲイツが"人類にとって最大の脅威は、ミサイルではなくウイルスだ"と言っていた」と放送している。20071020日、東京の日本都市センターホテルで日本肥満学会が開催された時、肥満学会理事が「人類にとって最も恐いのは、癌でも動脈硬化でもなく、ペストのような疫病だ」と言われたことを想い出した。その時は、"まさか、私が生きている間に、世界を恐怖に陥れるパンデミックが起きる"とは夢にも思わなかった。

基幹病院に勤務する阪大2内の後輩たちは、N95 マスク・ゴーグル・長袖ガウンの重装備で、新型コロナウイルスと闘っている。自粛・自粛で、今月予定していた研究会5つと、懇親会3つが中止になった。昨日327日から9日間、横浜から新幹線で帰省するはずだった7歳と4歳の孫も、新型コロナのパンデミックで来なくなり、淋しい日がつづく。

新型コロナウイルスは未知の部分が多く、予測不能なウイルスだ。中国72314人の解析では、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の81%は軽症で、重症は14%、重篤は5%。致死率は全体で2.3%、70歳代は8%、80歳以上は14.8%となっている。高齢者や心疾患・糖尿病・肺疾患・高血圧・癌など持病を持つ人は重症化しやすい(中国CDC)。

327日、吉村洋文大阪府知事は「大阪府では新型ウイルスによる感染が過去最大の20名に増加した。今週末は不要不急の外出を控えるよう」求めた。井戸俊三兵庫県知事も「47日まで大阪府に行かないよう」自粛を求めたので、3連休と同様に、この土日も兵庫県にとどまった。平日は、大阪で勤務しているので、兵庫県から大阪府へ通っている。

新型コロナウイルスのワクチンや効果的な治療薬ができるまで、1年から1年半はかかるだろう。"これからの12年、いつ感染して重症化し死亡してもおかしくない"と思うと、重い気持ちになる。

新型コロナウイルスの感染増加で、東京や大阪などの大都市圏でオーバーシュート(感染者の爆発的増加)が懸念されている。外出自粛がつづくと、高齢者の足腰が弱り、認知症も増えるだろう。一刻も早いワクチンと治療薬の開発が待たれる。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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