異業種忘年会と日本の教育・書道

2019年12月22日

  

20191218日、大阪市天王寺区で「異業種忘年会」があり、8名が参加した。

   午後6時、筑前煮、鰹のタタキ、山芋やアスパラガスの肉巻き、ナッツ類の燻製など食べながら話をした。

 友人は「北京旅行に行ってきた。満席の乗り物で席を譲ってくれる。儒教の国からなのだろうか、中国の人は老人に優しい」と言う。「私も、北京で地下鉄に乗った時に満席で、若い人に席を譲ってもらった。上海の森ビルに行った時、展望台に行く入場券を買おうとしたら、"パスポートを見せて下さい"と言われドキッとした。年令を見るためのもので、シニア料金で安くなった」と話した。

  弁護士の友人は「若手弁護士の教育をしている。法律事務所を立ち上げ、24名の弁護士が育ち、卒業していった。毎年、卒業生たちと12日のバスツアーに行っている。

教育の手本として、"会津の什の掟"がある。会津藩では912歳が一組となって『什の掟: 年長者の言うことに背いてはなりませぬ。年長者にはお辞儀をしなくてはなりませぬ。卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ。弱いものをいじめてはなりませぬ。・・ならぬことはならぬものです』を作り守っていた」と言う。

  ショパンのピアノが上手な人、茶器を眺めるのが好きな人、書道が7段の人など、人生を楽しんでいる人が多い。話は仕事、教育、料理、趣味、旅行で盛り上がり、気が付いた時には午後1040分になっていた。

1219日、大阪市中央区にある"大阪倶楽部"で「異業種忘年会」があり、21名が参加した。細長いテーブルが2つあり、テーブルの両側に座る形式で、自由席になっていた。

  午後6時、新入会員の紹介と挨拶があった。新入会された実業家の方は「今年も経済が低迷し、暗い話が多かった。ここ20年、日本の成長が止まっているのは、戦後日本の教育に問題があったからだと思う」と挨拶された。

  前菜、スープ、魚料理、ビーフステーキを食べながら話をした。テーブルの向かいのメーカーOBが「書道をしている」と言われたので、私は「昨夜異業種忘年会があり、書道7段の弁護士さんと話をした。書道は墨が大切で、12時間かけて墨を磨っていると言われていた」と話し、「何段ですか?」と聞いた。

すると、「段の上に師範がある。私は、師範の上の上の理事をしている。日本書芸院の審査員もしている。先日は、大阪市立美術館で書道展を開いた。畳1畳の大きな紙に書いているので、墨が大量にいる。大きな墨を2本束ねて巻き、墨磨り器で34時間かけて磨っている。1番いい墨は"松煙墨"といい、松に着いた煤を箒で集め、固めたものだ」と教えてもらい、勉強になった。

左隣りの観光会社会長が、両腕で円を作り「中国に行った時、こんなに大きな硯(すずり)を買ってきた。細かい細工が施されていて、硯は美術品にもなっている」と言われた。いろいろな人と交流していると知識が増え、話題が広がる。

異業種忘年会が、2日連続あった。近年、職場の忘年会に出席しない人が増え、今年は「忘年会スルー」という言葉が流行っている。利害関係のない異業種の忘年会だと、他業種の人の仕事や趣味などわかり、楽しい時を過ごすことができる。

 

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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