デンマークの教育・医療・働き方

2018年1月22日

    2018118日、大阪市北区北新地にある"クラブ関西"で、「異業種新年会」があった。

この異業種の会は、鈴木剛住友銀行頭取が作られた会で、鈴木頭取が発起人となってクラブ関西は建設されている。この異業種の会は、庄原市出身者が4人と多い。鈴木剛頭取は、広島県庄原小学校の先輩で、写真 表示の右から講堂と第1校舎、 表示2校舎と第3校舎だ。この校舎で、被爆した軍人400名が手当てを受け、100名が死亡している(メタボ教室第71段「はだしのゲン」)。現在の高島誠三井住友銀行頭取も、広島県北の山間部出身だ。

 

午後6時、吉田正子アンデルセン前社長による講演「お手本は、いつもデンマーク」があった。アンデルセンはクリエイティブな会社で、デニッシュペストリーを日本で初めて販売、「冷凍パン生地の製造ライン」を作り"焼きたてパンの全国展開"をするなど、パン業界のフロンティアと呼ばれている。吉田正子氏はデンマーク大使館、外務省の委員として、両国の友好関係に貢献されている。

吉田正子アンデルセン前社長 表示は「父(高木ベーカリーの創業者)がデンマークに行った時、ホテルの朝食に出たデニッシュペストリーが美味しく、帰国後3年間開発し、1962年日本で初めて販売した。

デンマークの人口は570万人、デンマークは農業立国で、食糧自給率は300%と日本の39%に比べ高い。エネルギー自給率は、156%となっている。デンマーク国民1人当たりのGDP8位で、21位の日本より多い。デンマークの税など国民負担率は67.7%と日本の39.8%に比べ高いが、幸福度は世界1位と日本の52位に比べ高い。デンマークでは、教育・医療・介護が無料で将来の不安がなく、お金を貯えず消費している。

デンマークの小学生は、"好きなことを見つけ、得意なところを伸ばす。それが役に立つ"と教育を受けている。中学1年まで試験がなく、他と比べない絶対評価となっている。デンマーク人は自立意識が強く、自分の人生は自分で決める。一生で平均7回転職し、社会人になっても教育を受けることができる。

37時間労働で、年5週間の有給休暇をとっている。デンマークは男女平等で女性の75%が働いており、待機児童はゼロ、世界で初めてLGBTを認めた国だ」と話された。

 

午後710分からの懇親会は1テーブル6人で、濃厚な"ユリ根の冷製スープ 表示"、魚料理、"白金豚のグリエと野菜のラザーニャ 表示"を食べながら話をした。

「デンマークのエネルギーは、原発を使っているのではないか?デンマークの政策は、シンガポールのような人口が少ない国でできるので、日本のような人口が多い国では難しいのではないか」と大物大臣の親戚の方が聞かれると、関西財界の人は「風力による発電自給率は110%になっている。原発は使っていない」とすぐに答えられた。私は「デンマークは隙間産業が得意だ。インスリンの大部分を生産している」と話した。

デンマークは、多様な考え方を持たせる教育が行われ、医療・福祉・休暇が充実している。税金は高いが、将来の不安がなく、世界一幸せを感じる国となっている。日本も、創造性重視の教育など見習う点が多い。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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