京都祇園白川の食・桜とリーマンショック

2016年4月 3日

   2016331日、午後半休をとり、京都祇園白川へ桜を観に行った。

午後5時、東大路の京都駅方面行バス停は、どこも50人近い行列となっていた。知恩院前から新橋通を西に向かうと、山村美沙のサスペンスドラマによく出てくる「辰巳大明神 表示」があった。中国人など外国人観光客が多い。白川沿い 表示には料理店が並び、白川南通沿いの桜はまだ5分咲きだった。白川巽橋 表示では、着物を着た女性が写真を撮っていた。

 

午後6時、予約していた京懐石「祇園ゆやま」に行った。大学時代のクラスメートが「毎年、桜の季節は京都白川に行って、京料理を食べている」と言っていたので、店を紹介してもらった。8席あるカウンター席は掘りごたつ式で、足がつかれない。

先付の胡麻豆腐が、自家製で美味しい。お椀はすり身の茶巾絞り・竹の子・金目鯛で、昆布と鰹のダシがいい。氷の上にのっているお造り(平目・鮪・ヤリ烏賊)が新鮮だ。縁高盛り 表示には鴨ロース・南京揚げ物・ホタルイカのぬた・芽かぶの酢の物・いかなご煮・田楽・手まり寿司など16種類が入っていた。

温物はかきもち揚げで、ちりめんじゃこのお茶漬け、香の物は自家製の大根など3種盛り、デザートは桜アイス・抹茶ムース・ブルーベリーのゼラ掛けだった。

食べながら、料理長と話をした。「どの素材も、吟味されていていい」と話すと、「毎朝、京都中央市場に行って、いいものを仕入れている」と言われる。

「外人さんも来るか」と料理長に聞くと、「毎日1組ぐらい来るが、今日の予約は日本人だけだ」と言われた矢先、入口から「リザーベーションしてます」という声が聞こえてきた。欧米人と名前が日本名の日系人で、「酒はコールド、辛口」と注文されていた。

 

料理長に「京都は、一見さんだと入りにくい」と話すと、「ここも、以前は一見さんお断りだったが、リーマンショック以降、一見さん以外も来てもらうようにした」と話された。

20089月、リーマン・ブラザーズが破たんした時、異業種の会に行くと、「リーマンが破たんして、日本は大変なことになる」と大騒ぎをしていた。私が「さっき夕方のテレビで、コメンテーターが"リーマン破たんは米国での影響は大きいだろうが、日本はサブプライムローンを入れた金融商品は販売していないので影響は少ない。日本は蚊にさされたようなものだ"とコメントしていた」と話すと、みんなから笑われてしまった。

大手商社の友人は、「テレビに出てくる商社OBは、個人で情報を集めているので玉石混合の情報が少ししか入らない。何万人から玉の情報が集まってくる商社のトップクラスは、テレビに出ないし、テレビに出ても本当のことは話さない」と言っていた。

 

級友に紹介してもらった京都祇園白川の京料理店は、いい素材が使われ満足するものだった。マスコミで世の中の出来事を大雑把に知っておくことは必要だが、口コミでないと本当のことがわからないことも多い。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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