関西本線各駅停車の旅と芭蕉・半蔵ゆかりの里

2014年6月30日

    2014628日、JR西日本関西本線各駅停車の旅に出かけた。

午前950分自宅を出発。梅雨の季節で、空は今にも雨が降り出しそうに、どんよりと曇っている。JR大和路線の王子駅(奈良県)を過ぎるあたりから、田植えを終えた水田が広がっていた。

 

JR奈良駅から先に行くのは初めてだ。平城山(ならやま)駅から、京都府の木津駅に入り、終点の加茂駅に着いた。JR加茂駅からの関西本線は、本線という名前なのに1両編成のワンマンカーで、1時間に1本しか走っていない。笠置、大河原、月ヶ瀬口と木津川に沿って山の中の無人駅を通っていく。山の上にも畑が見える。島ヶ原駅から三重県となった。

 

JR伊賀上野駅で降りると、小雨がぱらつき始めた。正面に伊賀上野城が見える。伊賀市に来るのは、1987621日"金谷"ですき焼きを食べて以来だ。

芭蕉五庵のうち、唯一現存する「蓑虫庵」に行った。芭蕉がこの庵を訪れた時に詠んだ「みの虫の音を聞にこよ草の庵」に由来する。庭園に入ると、チュチュ、チッチッと小鳥のさえずりが絶えず聞こえ、紫陽花の花が咲いていた。

「芭蕉翁生家」に行った。生家の裏にある釣月軒は、芭蕉が処女句集"貝あほひ"を執筆したところで、六畳の間の中央の机の上にはつづり箱が置いてあった。

 

伊賀上野城の石垣は苔がむし、道は緑の木々でおおわれていて、深呼吸すると心が洗われた感じになる。伊賀流忍者屋敷は隠れ戸など27年前と同じだが、新しく地下に忍者博物館ができていた。手裏剣投げなど、忍者ショーも新たに加わっていた。忍者は飢餓に耐えられるよう訓練されており、肥満者はいない。

上野公園から、伊賀鉄道上野市駅界隈を散策した。商店街は空地が多く、シャッター通りとなっていた。上野シティホテルにある"上野みやび"で、伊賀牛すきやき御膳"半蔵"を食べた。伊賀牛は松坂牛に似てやわらかい。

 

友人は「水素エネルギー・メタンハイドレートなどが開発されつつあり、エネルギー危機より食糧危機の方が強まっている。中国は国内需要の増加で自給困難となり、米・小麦・トウモロコシの輸出ができなくなった。優良な農地の工業用地・住宅用地への変換、水不足、食生活の変化による需要増のためだ」と言う。

中国の三大穀物(米・小麦・トウモロコシ)輸出は20021376トンで、世界でも有力な穀物輸出国だったが、2012年の輸入量は米207トン・小麦369トン・トウモロコシ515トン、大豆も5672トンと膨れ上がっている。わずか10年で、中国の食糧事情は輸出国から輸入国へ激変している。

 

松尾芭蕉・服部半蔵ゆかりの里は、米・酒・伊賀牛の産地だった。数十年後、外国から食糧を買えない時代が来るかもしれない。若者が農業に魅力を感じるような施策を実行する必要がある。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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