HDLコレステロールとミシガン琵琶湖クルーズ

2014年4月13日

    2014410日、兵庫県尼崎市にある都ホテルニューアルカイックで「第15回阪神生活習慣病研究会」が開催された。

午後630分からの世話人会では、今年の薬剤師国家試験合格率が60%と低下したことが話題になった。午後7時、オープニング・リマークス「食の欧米化と肥満・糖尿病・高血圧」を行なった。

 

午後740分、神戸大学地域社会医学・循環器内科の石田達郎特命教授による特別講演「HDL機能不全の病態と治療」があった。

HDLコレステロールを上昇させる薬(CETP阻害剤)は、虚血性心疾患を予防する効果がなく開発中止となった。HDLの質が重要で、動脈硬化治療にEL(血管内皮リパーゼ)阻害療法を開発している」と話された。

HDL(善玉)を上昇させるのはダイエット・運動・禁煙 表示と、1996415日のNHKきょうの健康「高コレステロール値 表示」に出演した時と、あまり変わっていない。

 

日本人間ドック学会と健保連は、2011年に人間ドックを受診した150万人を対象に、健康な人の数値から新しい基準値を求め、今年44日に公表した。「男性の基準値は総コレステロール254mg/dl(学会199)、LDLコレステロール178mg/dl(学会119)、中性脂肪198mg/dl(学会149)、HDLコレステロール40mg/dl(学会40)、血圧147/94Hg(学会129/84)、空腹時血糖114mg/dl(学会99)」と書いてある。

18年前の脂質の基準値 表示(阪大・京大・千葉大などが中心となって作った日本動脈硬化学会の基準値)は、総コレステロール220mg/dlLDLコレステロール150mg/dl、中性脂肪150/dlHDLコレステロール40mg/dlで、当時の血圧の基準値は140/90Hg、血糖の基準値は110mg/dlだった。

基準値は、厳しすぎると食の楽しみが失われ、薬の副作用も出る。甘すぎても、生活習慣病を起こしやすくなる。大切なのは、バランス感覚と、科学的根拠 表示だ。

 

午後840分から懇親会があり、市立芦屋病院の先生が来られていた。「3月に定年退職した看護師さんが送別会で、『徳永先生たちと琵琶湖に行き、ミシガンに乗り楽しかった』と話していた」という。30年以上前のことを覚えていてもらって嬉しかった。

1982619日土曜日午後3時、若手医師4人と北2階病棟の看護師さん7人で芦屋病院を出発、車を連ねて名神高速を通り琵琶湖に行った。42日琵琶湖に外輪船ミシガンが就航し、私が企画立案したのだ。

琵琶湖ホテルに宿泊した。夜は一部屋に12人集まり、1時まで持参したカラオケセットで「ふたりの大阪」などを唄った。翌日、ホテルからミシガンに乗船し、琵琶湖クルーズをしたのち比叡山へ行き、午後5時芦屋病院に戻った。

若い人は、これからの人生の方が長く、楽しいことも多い。還暦を過ぎると、これまでの人生の方がはるかに長く、楽しかったことも多い。嫌なことは忘れ、楽しかったことを想い出しながら生きるといい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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