癒しの環境とスイスの肥満・平均寿命

2013年6月29日

    2013622日、広島県庄原市の実家に帰省した。

午後7時、高校時代のクラスメートと、老後の話をした。鯉の話題が出た。友人は「鯉と、水の流れる音と、緑は癒しになる。癒しには太陽も重要で、南向きの家がいい。それと松の木があるとベストだ。大阪から講演に来られたホスピスの先生が『私がいる病院の病室は全て南向きで、池で鯉が泳いでいる』と話されていた」と言う。

私の父の趣味は、鯉を飼うことだった。赤に白や黒が混じった鯉、オレンジ色の鯉、いろいろの模様の鯉が16匹いた。母に引き継がれ、今は8匹に減少している。エサをやると、口をパクパクして食べる。私の実家も南向きで、池で鯉 表示を飼い、緑の庭には松の木がある。癒しの条件が5つともそろっている。池で鯉を飼うことは、父や母の癒しになっていた。

 

6231230分、"かんぽの郷庄原"で食事をした。スイスのΩ(オメガ)の時計が話題になった。1972年大学5年生の時、スイスで買ったΩの自動巻きの時計は、41年後の今でも使える。当時はローレックスよりΩの方が有名で、現在もアンティークな時計として評価されている。

 

1972730日、イタリアからスイスのジュネーブに行き、ツーンのホリデイインに宿泊。夜ディスコに行き、ダンスをした。徳島県出身のクラスメート 表示は、日本から持参した雪駄をはいて阿波踊りを踊り、注目を浴びていた。

731日、水色のセーターを買い、ユングフラウ観光 表示に行った。

81日、インターラーケンでΩの時計を買った。花火大会があった。

82日、ツーンから、ドイツのハイデルベルグに行った。

 

スイスのBMI30以上の肥満の頻度は8.1%となっており、OECD諸国では日本3.5%、韓国4.1%に次いで3番目に少ない。スイスにはドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏がある。ドイツの肥満の頻度は14.7%でOECD34カ国中15位、フランスは12.9%で9位、イタリアは10.3%で5位となっている(OECD健康データ2012)。

スイスの肥満の頻度が少ないのは、スイス健康局が10年前から「健康な食生活と運動を促進する」キャンペーンを行っており、肥満増加に歯止めがかかっているためだろう。

 

先月のUSC同窓会で、ソウル大学教授は人口当たりの100歳以上の頻度を、市町村別に色分けして韓国地図で示された。「100歳以上の人は、韓国沿岸部では少なく、多い地域は全て山間部だった。高地に住むことは長寿になる要因の一つだ」と結論付けられた。

日本でも、高地にある長野県の平均寿命は男女とも1位になっている(厚労省2013)。高地にあるスイスの平均寿命も83歳と、日本と並んで世界一となっている(WHO世界保健統計2013)。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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