五月山公園の桜と子供のメタボ・米文化圏

2013年3月30日

    2013324日、全国紙朝刊に「子供のメタボと生活習慣の関係を解く」の大見出しで記事が載っていた。

小児肥満対策推進委員会の大関武彦委員長は「生活習慣病の予防では、何を食べて、どのくらい運動するかが重要だ。子供の時期から好き嫌いをなくし、野菜、肉、魚などバランスの取れた食事でカロリーの採り過ぎに注意し、脂肪類や糖質を多く取らないことが大切だ」と述べられている。

"平成24年度子供の食生活実態アンケート調査"では、ご飯を主食にしている子供の22%が夜食をとるのに対し、ご飯を食べない子供は50%以上が夜食をとることが明らかとなっている。ご飯はゆっくり吸収され、満腹感が長くつづくので、間食や夜食を取らなくて済むのだろう。

 

午後1140分、大阪府池田市にある五月山公園に桜を観に行った。桜は咲き始めていたが、どの駐車場も満車で、山手をドライブした。所々に咲いている木蓮の白い花がきれいだ。箕面市の桜通りには、満開になった桜の木もあった。

 

午後1時、池田市にある旬鮮和食"音羽茶屋池田総本店"に行った。「赤ちゃんがいる」と予約していたので個室がとってあり、赤ちゃん用の籠も用意されていた。個室だと授乳ができ、赤ちゃんが泣いても気にしなくていいので助かる。"さくら御膳"の卵は丹波篠山産、ごはんは福井県産天日干しコシヒカリを使っていた。

 

日銀OBの友人は「中国穀倉地帯の東北3省では、70年前1mあった黒土が30㎝まで減少し、現在も毎年12㎝ずつ減りつづけている。早ければ15年先に黒土はなくなる。中国は国内だけの生産では、13億人の食糧を確保することが難しくなるかもしれない。21世紀は穀物の争奪戦になる」と言う。

財務省OBの友人は「日本の土地はフランス・イギリスに比べ2倍、ドイツに比べ4倍肥えている。フランスと同じようにすれば、日本は農業大国になることができる」と言う。

 

食糧が不足してくると、制限アミノ酸のリジン含量が多い米が主食の米文化圏の方が、小麦文化圏より有利になるだろう。精白米のアミノ酸スコアは61%で、食パンの42%やうどんの39%に比べ高い。

人間は、米に大豆類(豆腐・味噌)を少し加えれば生きていけるが、小麦では肉・魚・卵をプラスしないと必須アミノ酸が不足して生きていけない。東アジア・東南アジア地域の人口密度が欧米に比べ高い要因は、米を主食にしていることにもよる。 

ご飯を主食にすると、夜食や間食をする子供が少なくなり、メタボを防ぐ可能性がある。また、米は小麦に比べアミノ酸スコアが高く、多くの人を養うことができ、食糧難の時代にはいいかもしれない。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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