宮城県の食と聴力低下・メタボリックシンドローム

2013年1月29日

    201312526日、ウェスティンホテル仙台で第41回日本総合健診医学会(千哲三会長)が開催された。

 

124日、伊丹空港から午後735分発ANA739便9A席で、仙台空港に向かった。仙台空港のある岩沼市は、大阪空港のある伊丹市と姉妹都市で、東日本大震災の時は伊丹市のボランティアが救援活動をしている。仙台国際ホテル1218号室に宿泊した。仙台の街は雪がうっすらと積もり、凍える寒さだった。

 

125日、ホテルの朝食のご飯には宮城県産ひとめぼれ、味噌汁には仙台味噌が使われ、ホテル特製牛タンハム、笹かまぼこ、石巻風焼きそば、ずんだもち、宮城県白石市の"白石温麺"があった。白石温麺は白石城主・片倉小十郎が名付けた麺で、油を一切使わず胃腸にやさしい。片倉小十郎は伊達正宗の名参謀として知られ、天下人秀吉からも高く評価されている。

 

午後210分から若手奨励セッションがあり、みどり健康管理センター熊田佳子らによる「ドック・健診腹部超音波による膵癌検診について」など、奨励賞に選ばれた5演題の口演があった。

進興クリニック齋藤優子らは「聴力低下に及ぼすメタボリック症候群の影響」のタイトルで、「4079歳の受診者57836名を対象に、聴力とメタボリック症候群関連因子(耐糖能異常・軽度高血圧・脂質異常症)を調べた。聴力低下者では耐糖能異常および軽度高血圧の頻度が高かった」と発表された。

フロアから私は、「私たちも14000人を対象に、聴力と糖尿病・高血圧・脂質異常症を検討し、聴力低下者では糖尿病が1.2倍、高血圧1.2倍、メタボリックシンドロームは1.5倍になっていた。聴力低下とメタボとの関係はどうだったか?突発性難聴は生活習慣が乱れた人が多いとの報告があるが、生活習慣はどうだったか?」と質問した。

また、「難聴になると、コミュニケーションが取りにくくなり、認知症になる可能性がある。メタボ対策は大切だ」とコメントした。

 

午後530分から、グランドボールルームで懇親会・表彰式があった。仙台のホテルの牛タンは美味しい。「こんな厚い牛タンを食べるのは初めてだ」「ホテルは牛タンにメンツをかけている」と、男の人達がおかわりをしている。分厚い牛タンにもかかわらず、とろけるように柔らかい。私も牛タンのおかわりをした。

最優秀若手奨励賞に齋藤氏が選ばれ、他の若手奨励賞の4人とともに、今年102歳になられる日野原重明理事長 表示より表彰された。

メタボリックシンドローム・糖尿病・高血圧は、聴力低下と関連している。難聴は認知症を発症しやすい。難聴・認知症予防の面からも、メタボ対策は重要だ。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

著作権について