受験生のための健康講座

2012年11月 9日

    2012117日朝、職場でインフルエンザの予防接種をした。同僚医師は、「1年が経つのが早い」と言う。齢をとると、11年があっという間に過ぎていく。

 

昼、近くの食堂で日替わり定食を食べた。秋刀魚(さんま)、栗ごはんなど、旬の食材を使った料理が多い。最近、こういう店は少なくなった。壁にある大きなパネル写真が、紅葉に替わっていた。去年、京都で撮影したものだそうだ。

 京都の友人は、「賑やかだった京都の街は、この秋から中国人観光客が激減し、美術商や飲食店にも影響が出ている」と言う。京都の紅葉でどこかいい所はないか聞くと、永観堂、東福寺、真如堂(メタボ教室第175段「京都の紅葉」)を教えてくれた。どこも行ったことがあるが、いい所だった。

 

夜、自宅の書庫を整理していたら、「受験生のための健康講座」の企画書と新聞の切り抜きが入った封筒が出てきた。

19886月から1年間、産経新聞の毎週土曜日夕刊の教育面に、中学生・高校生を対象に、受験期の健康対策について連載していた。自分が書いた新聞記事を、24年ぶりに懐かしく読んだ。

19885月、編集者といっしょに、健康講座の"ひな形"を作った。毎回異なる症例をとりあげ、解説していく。具体的な例がわかりやすいと思い、診察室に母親が子供を連れてきて、医師に相談し、それに対して医師が答えるという会話を形式を最初に入れることにした。

見本 表示のタイトルは「夜食は禁物」で、母親が、受験勉強の夜食で肥満になった中学3年生を連れて診察にくる設定だ。受験生が太らないための注意点を解説している。

 

1988827日土曜の健康講座⑪「頭のリズムー睡眠と休養」 表示では、診察室を訪れた母親の「うちの子供、来年受験で夜遅くまで勉強しているのはいいのですが、体調が悪く能率があがらないようで」という訴えに対し、「受験勉強=集中力×時間、ですよ。いくら時間をかけても集中してやらないとダメ。睡眠が足りないと、どうしても集中力が落ちてきます。・・」と答えている。

"受験勉強=集中力×時間"は、私が高校生の時に父がよく言っていた言葉だ。メタボ教室第41段「創造力」にある"創造力=体験×意欲×自由な時間"は、父の言葉に由来していたのかもしれない。

メタボ教室は10401080字にしているが、健康講座は135060行、原稿用紙2枚弱としていた。

 

秋には「スポーツと水分補給」、冬には「マイコプラズマ肺炎」、春には「花粉症」などを執筆している。季節に応じて書いているところ、字数を制限している所など、メタボ教室の原型を見たような気がした。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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