果糖・コーンシロップとメタボリックシンドローム

2012年8月 1日

    2012728日、ホテルグランヴィア大阪で、「第8回高尿酸血症・メタボリックシンドロームフォーラム」が開催された。

 

午後425分から、兵庫医科大学内分泌代謝内科森脇優司教授による特別講演「メタボリックシンドロームと痛風・高尿酸血症」があった。

森脇教授は「メタボでは、内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性・高インスリン血症が引き起こされる。高インスリン血症は、近位尿細管において、ナトリウムと尿酸の再吸収を促進し、その結果、高血圧や血清尿酸値の上昇をもたらす。高尿酸血症とメタボをきたす共通の要因として、『果糖の関与』を示唆する仮説も提唱されている」と講演された。

また、「米国ではコーンシロップなど、果糖・ぶどう糖を多く含む清涼飲料水の摂取が急速に増加し、それとともに肥満、高尿酸血症、高中性脂肪血症、メタボが増加した」と話し、その際、米国USC時代の私の恩師・ブレイ教授の図(米国臨床栄養雑誌2004)を引用された。

 

徳永勝人果糖ぶどう糖.jpg私はフロアから「最近、果糖が注目されるようになって嬉しい。私たちは20 年以上前から、ショ糖(ぶどう糖・果糖)が内臓脂肪を蓄積させ、果糖が内臓脂肪を蓄積させる要因の一つではないかと言っていた。毛野らが1991年、国際肥満雑誌に載せている」とコメントした。

ラットに高ショ糖食を与えると、腸間膜脂肪(内臓脂肪)/皮下脂肪比が上昇していた。海外では、果糖は肝臓で脂肪合成に利用されやすく、内臓脂肪を蓄積させ、ぶどう糖に比べインスリン抵抗性を来しやすいこと(JCI2009)、果糖は視床下部の食欲中枢に働き、摂食量を増加させること(PNAS2008)などが報告されている。

 

コーンシロップで摂取する果糖が、世界的に増加している。とうもろこしは人類にとって必要とされる植物だが、その反面、果糖ぶどう糖として大量摂取されることにより、肥満を増加させている。果糖ぶどう糖は砂糖に比べ、より甘く安価だ。米国では、低所得者層ほど、水の代わりに安価な甘い炭酸飲料を摂取し、カロリー過多となり、それが肥満の要因の一つとなっている。

高尿酸血症・メタボ対策には、果糖・コーンシロップの入った飲料の過剰摂取を避け、お茶・水などカロリーのない飲料を飲むことを奨める。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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