太陽とメタボリックシンドローム

2010年12月12日

地球上の生物は太陽がないと存在できない。太陽の光を浴びない生活をつづけていると、人間はエネルギーを失ってしまう。日没時間が早い季節になり、休日には外出して太陽の光を浴びるようにしている。

 

2010124日土曜日、まぶしい太陽の光を浴びながら名神高速を1時間運転し、"滋賀竜王アウトレット"に行った。5000台の駐車場はほぼ一杯になり、名古屋、三重、福井など東海や北陸ナンバーの車もあった。アディタス、ナイキで買い物をしたが店内は混みあい、レストランや地元の牛乳を使ったジェラード店には行列ができていた。

 

125日日曜日、天気がいいので西宮市甲山に向かった。土日、うろうろしていると思わぬ発見がある。途中"北山緑化植物園"があった。色とりどりの花壇があり、小さな子供たちを連れた家族が、ビニールをひいて弁当を食べていた。小川のせせらぎも聞こえ、谷も深く、山は猪が出るので、戸を自分で開閉して入るようになっていた。

 

1211日土曜日は雨だった。午後3時から大阪梅田スカイビルで「第62回月曜会(旧阪大2内内分泌代謝研究会)」が開催された。今回から阪大1内、2内、3内の垣根をなくして交流をはかろうと、俗称の月曜会が正式名称になった。

当直明けで蒼白い顔をした市民病院勤務医がいた。今の当直はただ眠るだけではなく、一晩中救急患者を診察している所もある。糖尿病専門医の中には、バーンアウトし開業をした者も多い。残った医師に益々負担がかかり、燃え尽きてしまう。これ以上、糖尿病の専門医に負担がかからないよう、糖尿病教育・診療はいくつかの病院に集約されるという。

市民病院勤務医は「循環器や消化器の専門医は自分の専門分野だけ見ておけばよいが、糖尿病の専門医は糖尿病以外の脳卒中や肺炎、喘息、高血圧、腎臓病もみている」と言う。糖尿病専門医は一般外来など、専門以外の診療もすることに不満を持っている。

病院長は「内科を蒲鉾とすると、板の部分が内科一般で、切った身の部分が専門となる。板と身があって蒲鉾となるように、内科全体と専門を診てはじめて真の内科医となる」と言われた。その通りだ。内科の各専門分野の診療・研究も、内科全般が基盤となって成り立つ。

 

1212日日曜日、高槻城跡公園に行った。サザンカの白い大きな花が満開になっている。テニスコートでは中高年男女がテニスをし、公園では何組かの親子がサッカーボールを蹴って遊んでいた。19人で太極拳を行った。クスノキの緑の葉の間からもれてくる太陽の輝きがまぶしい。

病院勤務医が燃え尽きないよう、休日は外出して太陽を浴びることができるような環境を作らないといけないと思った。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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