フィリピンの肥満とアジア肥満学会

2010年10月12日

    2010109日午前955分関空を出発、フィリピン航空PR407便35A席でフィリピンのマニラに向かった。関空発の機内食に付いてくるパンは、いつも美味しい。

 

午後145分、ニノイアキノ空港の気温は33℃と日本に比べ10℃高く、蒸し暑くて汗が首から流れ落ちる。オフィスビルや高級ホテルが立ち並ぶマカティ地区にあるザ・ペニンシュラ・マニラ603号室に宿泊した。部屋には、木でできた長い葉の器の上に、5種類のチョコレートと、マンゴスチン、ランブータン、バナナなどのウェルカムフルーツがおいてあった。

 

午後330分、ホテルから歩いて、アヤラ・ショッピングセンターに行った。庶民派ショッピング街「グロリエッタ」と、スーパーマーケット「SMシューマート」を散策した。コーラや水は30円で、物価は日本の4分の1だ。消費税は12%になっている。

グロリエッタでは日本に比べ肥満者が多く、肥満の程度も高い。2005923日から4日間、フィリピンのセブ島に行き海底で水中歩行などをした時、宿泊したセブ市では肥満の人をほとんど見かけなかった。日本や米国と異なり、フィリピンでは地方都市より都会に肥満が多そうだ。

グロリエッタの喫茶店で飲んだ紅茶も、いっしょに食べたお菓子も甘かった。砂糖の摂りすぎも肥満が多い要因の一つかもしれない。

 

1010日午後230分、ペニンシュラホテルから歩いて、マニラ随一の高級ショッピング街「グリーンベルト」に行った。グリーンベルト15の建物に囲まれた中央部は緑の森になっており、数十羽の小鳥が飛び、池では緋鯉が泳いでいた。

グリーンベルトはルイ・ヴィトン、ブルガリ、資生堂など世界の高級ブランドがあり、値段も高いためか、グロリエッタに比べ人通りも少ない。

グリーンベルト4の通路にある雲の形をした低い腰かけに座って、40分間行きかう人々を観察した。老人は少なく若い人がほとんどで、2030%の人は明らかに肥満だ。庶民の街グロリエッタより、肥満者の率も程度も大きい。日本、韓国、中国など東アジアではみられない臀部が異常に大きい洋ナシ型肥満の女性もいる。フィリピンでは地方より都市、都市の中でも富裕層に肥満が多いようだ。

 

次回のアジア・オセアニア肥満学会(松澤佑次理事長)は2011831日~92日、フィリピンのマニラで開催される。35歳以下の優秀な筆頭演題発表者10名に対し、一人10万円のトラベルグラントが日本肥満学会から附与される。若い肥満研究者は、どんどん海外に行って肥満を観察し、視野を広げるとよい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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