肥満予防と核廃絶

2010年9月26日

    2010923日、経済開発協力機構(OECD)は「肥満と予防の経済学」報告書を発表した。

  高カロリーの食事と運動量の減少により、OECD加盟国の多くで肥満が増加した。学校で規則正しい食生活を教える、肥満者への個人指導を行うなどの肥満対策を行うことにより、医療費の総額を1%削減できる。肥満対策の費用は一人当たり年間1600円としている。

また、肥満対策によって減少する年間死亡者数を、5ヶ国で検討している。英国では7万人、イタリアでは75000人、カナダでは4万人、メキシコでは55000人、日本では155000人、年間死亡者を減少させることができると推計。「日本は高齢化率が高く、生活習慣病の人も多いため、肥満対策の効果が大きい」と分析している。

 

921日、H先生から手紙が来た。広島弁の平和宣言前文に強くひきつけられたという。"方言の語りかけは、言葉の奥に在るものが伝わってくる"と書いてあり、H先生が作られた平和宣言のハガキが同封されていた。

「ああやれんのう(やってられない)、こがあな(こんなに)つらいめに、なんで遭わにゃいけんのかのう・・」201086日広島平和記念式典 秋葉広島市長 平和宣言より。

核廃絶についてA新聞の声欄へ投書されたコピーも同封されていた。H先生の両親、兄弟は被曝されて亡くなられていた。H先生とは10回以上お話しているが、いつもニコニコされているので、悲しい過去があることがわからなかった。

方言には、その地方で育った人の、胸を熱くするものがある。原爆について書いたメタボリック教室の第71段「はだしのゲン」と、広島弁で書いた第220段「終末期医療」をプリントアウトし、手紙に同封してH先生に送った。

 

925日、午後5時から自宅近くの金岡川沿いを散歩した。鈴原橋から笹原橋へ、犬を連れた中年夫婦や中年男性も散歩している。「暑さ寒さも彼岸までって言うけど、本当にそうね」と妻は言う。922日まで30℃以上あり、今年は秋が来ないのかと思っていたが、23日秋分(彼岸)の日、急に気温が10℃低下して涼しくなった。

南塚橋前のザクロの木には実がなっていた。広田橋の近くにはサルスベリの木があり、ピンクや青の花を咲かせている。鈴池橋から東の鈴原小学校南側の川は、水が澄んで川底の藻まで見え、40cmはある大きな黒い鯉が8匹以上泳いでいた。

息子や娘が通っていた鈴原小学校の周囲にある田んぼには、黄金色の稲穂が実っていた。平和な世の中に、今あることに感謝する。 

肥満予防も核廃絶も、多くの人命に関係する。世界で取り組まなくてはならない問題だ。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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