炎症と肥満・メタボリックシンドローム

2010年9月 9日

    201098日の朝刊に、「肥満による炎症が病気の要因」「アディポネクチン改善効果に世界が注目」の特集記事が載った。

 

11回国際肥満学会が71115日、スウェーデンのストックホルムで開催され、2500名が参加した。日本からは松澤佑次国際肥満連合(IASO)副会長、門脇孝東京大学教授、下村伊一郎大阪大学教授らが出席されている。

国際肥満学会ではメタボリックシンドロームなど肥満によって起きる症状に、炎症がさまざまな形で関係している事、炎症などを改善する善玉タンパク質"アディポネクチン"についての発表が注目されたという。

 

肥満になると、体内のいろいろな組織で炎症が起きることが明らかとなっている。脂肪組織から分泌されるTNF-αは炎症の原因の一つで、動脈硬化性心疾患や、インスリン抵抗性から糖尿病を引き起こす。

また、肥満では脂肪組織にマクロファージ(大食細胞)が多く入り込み、TNF-αなどを分泌することで、脂肪組織自体に炎症による変化が起こる。アディポネクチンは、炎症を抑え、血管の損傷部分を修復する作用がある。アディポネクチンを増やすことにより、炎症を防ぐ方法が研究されている。

 

国際学会の楽しみは、各国の肥満研究者と直接話をすることと、学会の前後にいろいろな国や都市を巡ることだ。22年前、スウェーデンでヨーロッパ肥満学会があった時は、北欧4カ国に行った。

198861日、大阪大学第2内科の4人で伊丹空港を午前940分発JAL152便で成田空港へ、1215分発SK984便でコペンハーゲンを経由し、フィンランドのヘルシンキ空港には2250分到着、バスでホテルに行った。

62日、列車で森や湖のある近郊を見学、ヘルシンキではマーケット広場や元老院広場に行った。63日、観光バスに乗り、港めぐりをし、午後6時シリヤラインでバルト海を渡って、ストックホルムに翌日午前9時に到着、学会に出席した。

67日、午後550分発SK1481便で、ノルウェーのオスロ空港に645分到着した。オスロの街は午後11時でも明るく、世界中から集まった若者たちで賑わっていた。68日、オスロ1020分発の列車で、フロムに午後58分に到着、ロッジに宿泊した。

69日、午前6時発の高速船で、フィヨルドの雄大な景色を眺めながら、1125分港町ベルゲンに着いた。610日、ベルゲン730分発SK631便で、デンマークのコペンハーゲンに行き、市内観光をし、遊園地チボリに行った。午後340分、SK989便でアラスカを経由し、帰国した。

611日午後825分、伊丹空港に着くと、妻と子供たちが空港に出迎えに来てくれていた。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

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