大阪服部緑地公園とメタボリックシンドローム

2010年6月27日

    2010624日午後、大阪府吹田市にある健康管理センターでの特定健診受診者数の集計を行った。

20094月から20103月までの1年間の特定健診受診者は15864名で、男性は10622名、女性は5242名だった。動機づけ支援は1296名(8.2%)で男性は1013名(9.5%)、女性は283名(5.4%)、積極的支援は2114名(13.3%)で男性は1985名(18.7%)、女性は129名(2.5%)となっていた。

糖尿病薬、脂質異常症、高血圧の薬を服用している人は3698名(23.3%)あり、男性2849名(26.8%)、女性849名(16.2%)となっていた。健診受診者の男性では4人に1人、女性では6人に1人が抗糖尿病薬、抗高脂血症薬、降圧薬のいずれかを服用していた。

 

24日帰宅時、大阪府豊中市にある服部緑地公園に行った。服部緑地は「日本都市公園100選」にも選ばれている。

午後555分、第1駐車場から公園に入ると、外は30℃の暑さにもかかわらず、公園内の森の中は涼しかった。モクセイ科のトクネズミモチ、ブナ科のウバメガシなどの木の幹が淡い緑色に見える。森の中の土の上は褐色の枯葉が敷きつめられたようになっており、歩くとミシミシと音をたてる。胸いっぱい森の匂いのする空気を吸った。

散歩道には大きな犬や小さな犬を連れた中年女性たちが歩いている。ランニングしている若い男性が、ハーハーと荒い息をしながら走り去っていく。私のそばを中高年夫婦がウォーキングをしながら追い越していく。老若男女、世はまさに健康ブームだ。

 

地上には青や紫色の紫陽花(あじさい)の花が咲いている。空を見上げるとブーンと左上空から飛行機が来て、向こうへ飛んでいく。右後方から大きな飛行機が飛んでくる。

再び森の中に入ると「打ち上げ花火禁止」の赤い大きな文字の看板があった。夏には森の中で花火をする人たちがいるのか。サザンカ、ヤブツバキ、ビワの木があり、木の上でガーガーとカラスの鳴き声がする。

水のせせらぎの音が聞こえてきた。水辺に行くと、小鳥が2羽こちょこちょと歩いていた。森の中の土の上にいると、命を感じる。じっと小鳥を見ていると「お母さん、蚊がいるよ」と高齢夫婦の声が聞こえてきた。私の左手が痒い。左親指と左腕を蚊にかまれて赤く腫れていた。右腕を見ると蚊が止まっていたので急いで叩いた。622分、散歩道に出ると西陽がまぶしかった。

 

私のいる健診センターに来る受診者の23.3%は糖尿病、脂質異常症、高血圧の薬のいずれかを服用していた。自然の中で息をし、歩き、ストレスを解消してメタボ対策をすれば、医療費を使わなくても健康になれるのにと思った。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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