流行語大賞とメタボリックシンドローム

2009年12月16日

    2009121日流行語大賞が発表され、年間大賞は"政権交代"に決まった。

2009流行語大賞トップテンにはその他、こども店長、事業仕分け、新型インフルエンザ、草食男子、脱官僚、派遣切り、ファストファッション、ぼやき、歴女が入った。

 

2006年の流行語大賞の年間大賞はイナバウアーと品格で、"メタボリックシンドローム"は3位だった。メタボリックシンドローム診断基準検討委員会委員長をされた松澤佑次第102回日本内科学会会長は「メタボリックシンドロームを単なる一時的な流行に終わらせてはならない」と言われ、授賞式を辞退され、代理に日本内科学会事務長が出席された。メタボリックシンドロームは単なる流行に終わらず、現在、定着している。

 

20061026日、「今年1月メタボリックシンドロームの知名度は10%だったが、現在80%になった。メタボ対策も半分成功したな」とメタボ撲滅キャンペーンに深く関わった4人で、ビールで乾杯した。後は行政の手に委ねられた。

 

200911月厚生労働省から2008年度国民健康・栄養調査が発表され、男性肥満者(BMI25以上)の増加にストップがかかったことが明らかとなった。2060歳代男性の肥満者の年次推移は、2000年の27.6%から2006年の31.6%まで漸次増加し、その後2年間で2008年には29.6%と逆に低下している。

4060歳代女性肥満者の割合も、200624.1%から200821.7%に減少し、メタボ撲滅キャンペーンの効果が表れてきているのだろう。

 

米国オバマ医療改革では、これからメタボ対策が始まる。米国の肥満(BMI30以上)は2008年の31%から2018年には43%に達するとみられている。医療費の中で肥満によるものは20%に達しており、10年後も肥満者の頻度を上げず現在と同じにとどめると、医療費を2000億ドル(18兆円)下げることができると考えられている。

企業の健康増進プログラムに従業員が参加し、処方された健康改善目標を達成すれば、保険料を最大30%軽減するという内容になっている。1世帯当たり年間数千ドルの軽減もあり得るので、期待度は大きい。健康増進プログラムに参加しない時には、割高の保険料を払うというペナルティが科される。日本の方が4年以上進んでいる。

 

1213日、高槻城跡公園へ行き、18人で青空太極拳を行った。寒風の中で、手袋をしたが帽子を忘れ、耳が冷たくなった。雀の鳴き声を聞きながら、枯葉の木と緑の木の混じりあう空間で、冷たい空気を吸って行う太極拳は心地よい。

隣の球技場では中高年男性が2面で野球を、3面でテニスを行っていた。冬の季節、アウトドアで行うスポーツも粋なものだ。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

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