クリーンエネルギーと日本人女性の喫煙・肺がん

2009年11月 8日

    20091031日午後、USC同窓会台北で、USC教授による「世界のエネルギー供給」の講演があった。

 

「世界のエネルギー消費は年々増加している。特にOECD以外の国のエネルギー消費が急速に増加しており、2010年にはOECD諸国のエネルギー消費量を抜く。二酸化炭素を排出しないエネルギーの開発や、効率のよいエネルギーの使い方を考えなくてはならない。

インドなど発展途上国の人口増加、生活水準上昇で、食料・水資源の確保も重要になってくる」と話された。

 

以前、大阪府工業協会副会長をされている酉島(とりしま)製作所会長と"水資源"について話をしたことがある。酉島製作所はポンプの会社で、高槻市JR摂津富田に本社がある。「サウジアラビア、UAEなど中近東で、海水淡水化プラントで造られる水を内陸部にポンプで送っている。ある国の70%の水は酉島が供給している」と言われていた。

 

また、大阪市に本社のある岩谷産業の方と"クリーンエネルギー"について話をしたことがある。岩谷産業は水素エネルギーを開発し、国内トップメーカーとなっている。「すぐには難しいが、水素エネルギーを使って走る自動車を開発している。中近東の石油エネルギーを現地で水素エネルギーに変え、日本まで運べば輸送量が安くなる」と言われていた。

関西にはクリーンエネルギーや水資源など"夢のある産業"の先駆的な企業がいくつかある。これらの企業を起爆剤として、関西経済を建て直せばよいと思った。

 

31日午後7時からガラ・ディナー(晩餐会)があり、11番テーブルになった。3組のライオンダンス(獅子舞)のショーで開始された。獅子舞を見るのは子供の時以来で、後ろ足の人の肩の上に、前足の人が両足で一気に跳びあがって立つと拍手が起こった。

 

私の右隣り2人は米国ロサンゼルス化学会社の人だった。左の人はUSC教授で、私が日本人だと知ると「どうして日本人女性はタバコが好きなのですか」と聞かれた。日本人女性の肺がんによる死亡率はアジア10カ国中4番目と高く、日本人男性の肺がん死亡率は6番目になっているという。

日本人女性の喫煙について、日本人男性としか比較していなかったので、他のアジア諸国に比べ日本人女性がタバコ好きだとは気付かなかった。日本の国の中だけで考えていたので、固定観念があった。

 

たばこを吸う妊婦は低体重児を出産する率が高くなり、低体重児はメタボリックシンドロームになりやすい。未成年者と同じく、"妊婦の喫煙撲滅キャンペーン"を行えばよいと思った。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

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