アジア経済とメンタルヘルス

2009年11月 7日

    20091031日午前、グランドハイエット台北でのUSC同窓会は、台湾財界の超有名人による「経営哲学」の講演で始まった。

 

世界第3位のパソコンメーカー創業者は「会社は人で始まり、人で終わる。人を育てることが、会社を育てることになる。自分が得た知識は、分け合い、共有することが大切だ」と話された。

"台湾の星"とも呼ばれ、日本でも本を出版されているという。めったなことでは直接話をする機会もないとあって、講演後、20人の人が列をなして並んでいた。

 

「世界経済とメンタルヘルス」のシンポジウムがあった。アジア10カ国の調査結果が発表された。失業率が上がり仕事が減少すると不安・ストレスが増加し、うつ病、ドメスティックバイオレンス、アルコールや薬物の使用、自殺が増加するという。

アジアの自殺は年々増加し、韓国の自殺は日本を追い越している。その理由として1990年代からの経済不況が影響しているのではないかと考察されていた。

 

日本、韓国、台湾の自殺に比べ香港はやや少なく、バンコク、シンガポールは横ばいで日本や韓国の3分の1となっている。南方に住んでいる人は、自然の食べ物に恵まれ、経済的なストレスに強いのかもしれない。北欧など北の国に自殺が多いので、日光を浴びることがいいのかもしれない。

 

米国では、うつ病に年間240億ドルが使われているという。うつ病を根治させたり、自殺を防止したりすることができる薬はできないものだろうか。アジアには、精神疾患の治療を十分できない国々もある。インドの精神科医は3500人と少なく、その75%は都市に集中しているという。

 

1230分から1330までランチタイムだった。前日同様、前菜、スープ、サラダ、メインディッシュ、デザート、コーヒーが順番に出てきた。ランチはディナーと異なり自由席で、どの円形テーブルに座ってもよく、私の左隣に3人の日本人女性が来られた。同窓会3日目で初めて日本語で話をすることができる女性と出会った。

 

3人はUSCビジネス学部留学時代の友人で、私が広島県庄原市の出身だと話すと、「私の夫は、庄原市の隣の三次市にある市立三次中央病院に勤務していました」と言われた。もう1人の方も広島県に住んでいて、夫が歯科医院を開業されているという。

「私の叔父は広島市内で歯科を開業しており、従兄弟夫妻も広島県福山市で開業している。私の母は87歳の高齢で現役歯科医をしている」と話すと驚いておられた。世間は広いようで狭いもので、遠い異国の地で、広島県の話で盛り上がった。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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