年寄りパワーとメタボリックシンドローム

2009年7月 4日

  メタボリックシンドローム講演会は高齢者を対象にしたものが多く、講演後、食事をしたり、飲みに誘われたりする。政界通、財界通、スポーツ界通、宗教界通の人達と交流することができた。

 

いろいろな世界の人達と友人になることができ、医師でよかったと思うようになった。病がちだった吉田兼好は、医師の友を必要としていたのだろうか。徒然草の第117段に「よき友三つあり。一つには、物くるる(物をくれる)友。二つには医師(くすし)。三つには、智恵ある友」と書いている。

 

20091月、テレビや新聞は今にも解散・総選挙をするような報道をしている。最高権力を握った権力志向の人が、失うかもしれない解散をするものだろうか?元全国紙の新聞記者と話をした。

 

「総理はやる気満々で、解散する気は全くない。主要国はみな経済危機に陥っている。日本の歴史の中で、主要国の首脳がこぞって日本の総理に頼みごとをすることはなかった。国債を買ってもらったり、バブルをどう乗り越えたか日本に経済危機回避の仕方を学ぼうとしたり、領土問題を絡めた経済援助を受けようとしたりと、総理に頼んできている。

財務省と外務省が頑張って総理を支えている。解散は20097810日イタリアで開催されるサミット(主要国首脳会議)までないだろう」と記者OBは言われた。

 

「新聞やテレビは解散、解散と言っている。何故、解散が今にもありそうなことをいうのか」と聞くと、記者OBは「解散する話だとニュースになるが、解散しない話だとニュースにならない。新聞は売れないし、テレビは視聴率を上げられない」と答えられた。

 

独断専行の話かと思い半信半疑だったが、その後日露首脳会談(218日)、日米首脳会談(224日)、日中首脳会談(412日)と予測は次々と当たった。推理小説の最後を読んでから、読み始めるように6カ月間報道をみてきたが、サミットまで解散にはなりそうになく、記者OBの予測はズバリと当たった。

 

メディアの現役の人は多くの情報を持っているのだろうが、新聞の売り上げや社会的な影響を考えてなかなか本当のことを言えないのだろう。その点、年寄りは、現役ほど情報を持たないが、自由に発言することができる。インプットは少なくても、アウトプットが多い所に"年寄りパワー"を感じた。

 

退職後(OB)生活では、現役時代には話せなかったことを言ってストレスを発散し、山歩き・散歩・体操など体を動かしてメタボ対策をするとよい。退職後も"年寄りパワー"を発揮して健康を維持し、世の中に貢献して欲しい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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