糖尿病治療食と肥満症治療ガイドライン

2008年9月21日

    20081010日、東京大手町サンケイプラザで開催される第30回日本臨床栄養学会(白井厚冶会長)のシンポジウム1「肥満食事療法」で基調講演をすることになった。

 

肥満症治療ガイドラインを中心に、糖尿病など食事療法の進む方向性を話すよう依頼があった。個々の疾患で多少の違いはあるが、肥満も糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、脂肪肝も基本的にはカロリー制限が中心となる。

 

糖尿病の食事療法では80kcal刻みとなっている。肥満症ガイドラインでは200kcal刻みとなっている。先月、大阪の管理栄養士さんと話をしたとき、「肥満症治療食141618を糖尿病治療食141618と置き換えて食事療法をしている。便利だ」と言われた。

春日雅人先生が日本糖尿病学会理事長をされていたとき「肥満の食事療法で、いいのができたら糖尿病でも使いますよ」と言われていた。いくつかの学会と栄養士が共同で智慧を出し合い、使いやすい新しい食事療法を考案するのもいいかもしれない。

 

職場が大阪府吹田市江坂に変わった。昼食時間が短いので家内が作った弁当か、コンビニ弁当を買って食べるようになった。A社のコンビニ弁当は295円で620kcalB社のコンビニ弁当は395円で615kcalとなっている。

糖尿病を専門にしている女医さんは「コンビニ弁当は野菜が少ない。サラダも一緒に買うよう患者に指導すると、コンビニのサラダは200300円と高くて買えないという人がいる。お金のない人は100円のハンバーガーを食べている」と言う。

 

私の場合も「野菜は高いので、摂りたくても買えない」と言う患者さんがいた。外食について調べてみると女医さんの言った通り、M社のハンバーガーは600kcal当たりに換算すると191円とコンビニ弁当に比べ極めて安かった。Y社の牛丼380660kcalに比べても半額近い。若い人が、カロリー当たり安価なハンバーガーを食べるはずだ。

 

大阪の江坂には自然の緑が少ない。916日、緑を求めて車を運転していると服部緑地があった。服部緑地は大学時代以来、40年ぶりだ。夕方散歩するのに涼しい季節になった。

午後530分、東駐車場からケヤキ並木を過ぎると乗馬センターがあり、近くの池では3羽の鳥がスイスイ泳いでいた。メタセコイアの木もあった。7組の子犬を連れて散歩している人と出会ったが、ここでも男性は少なく1人だけだった。

 

17日も服部緑地に行った。北駐車場から「ちかくの森」の苔むした道を歩いた。ツクツクボウシが鳴いている。ブナやニレの木々が鬱蒼と繁り、大阪府営服部緑地には本当の自然が残っていた。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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