高校同窓会とメタボリックシンドローム

2008年8月16日

    2008731日、厚生労働省は平成19年の日本人の平均寿命は、男性79.19歳、女性85.99歳となり過去最高を更新したと発表した。

 

女性は香港の85.4歳、フランスの84.1歳を抑えて23年連続世界1位だが、男性はアイスランド79.4歳、香港79.3歳に次いで3位となっている。

人はいずれ何らかの死因で死亡する。0歳の死因別死亡確率は、男性では悪性新生物30.10%、心疾患14.67%、肺炎12.53%、脳血管疾患10.80%の順となり、女性では悪性新生物20.56%、心疾患19.16%、脳血管疾患13.29%、肺炎11.84%の順となっている。

 

50歳代後半になると同窓会が多くなる。2008811日、大阪市北区で近畿庄原格致会(800人)の役員会があった。一昨年、庄原格致高校同窓会で「内臓脂肪と生活習慣病―メタボリックシンドロームを中心に」の講演をしたことから役員に誘われたようだ。

近畿格致会幹事長が「メタボリックシンドロームの講演の後、食事・運動に気をつけ、9時以降食べないようにし、ウエストが5センチ縮んだ」と新入会の私を紹介された。私の講演も少しは役に立ったようだ。暑い中21人が出席し、私は2番目に若かった。

 

格致高校の名前は儒教の四書・五経「大学」の中にある「格物致知」に由来する。物の道理を探求し、知的判断力を高めることをいう。近畿格致会会長は元大阪弁護士会会長で、大きな事件なども担当されていた。

私の前の席に座られていた方は建築家で、三宮地下街や大阪の堂島地下センター、アベノ地下街などのプロジェクトチーフをされていた。先輩が設計されたとは知らないで、大阪や神戸の地下街を利用していた。 

70歳代の人が多かったが、60歳代に見える。会社社長、大学教授、高校校長など現役で活躍されている方が多いためかもしれない。これから高齢化社会、元気な人は働けばよいと思った。

 

最後に庄原格致高等学校校歌を全員起立して熱唱した。

「1.仰げば遠き比婆山の 霊峰今に映しては 鮎子さばしる西条川の 清き姿を我らはもたん 3.格物致知の名に負える 伝統ともに挿頭しては 紫にほふゆかりの旗の 高き望みを我らはもたん」

校歌は不思議なものだ。青春時代を同じ高校で育ったことを想い出させ、気持ちを一つにさせる。

 

日本は超高齢化社会を迎え、高齢者が活躍できる環境作りが必要だと思った。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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