ガソリン値上げとメタボリックシンドローム

2008年7月 2日

    2008630日、ホテルグランヴィア大阪で第42回大阪産業医学研究会(下村伊一郎会長)が開催された。一つの大学の産業医の会としては日本最大で、100人以上集まった。

 

メインテーマは「職場におけるメンタルヘルス対策―スムーズな復職に向けて」だった。メタボとメンタルは企業の産業医にとって最大の関心事のようだ。

 

立食パーティーでガソリン値上げの話題が出た。レギュラーガソリンが1リットル180円になり、200円を超すかもしれない。「ガソリンが高くなると自動車に乗ることが減って、歩く人が多くなり、メタボが減るのではないか」と誰かが言った。

大手自動車会社診療所長が「先生が言っていた散歩道、やってますよ」と言われた。日本の肥満要因の50%は、自動車などによる運動不足からなっている。「ガソリンが値上がりすると、自動車が売れなくなるのでは」と誰かが言うと、「1リットルで60km走るエコカーができるかもしれない」と言われた。

 

石油価格の高騰で輸送費のみならず、食料など物価が軒並み上昇してきている。1リットルで60km走るエコカーができると、エネルギーを大幅に節約できる。輸送料金が減れば、物価も下がる。エコカーが売れ利益が出れば、自動車会社の協力で各地に散歩道ができるかもしれない。

 

  散歩道には興味を持つ人が多いようだ。先日、保健師さんがメタボリック教室第69段「異邦人とメタボリックシンドローム」をプリントアウトし「JRの各駅から半径1km以内に、車を気にしないですむ遊歩道を作ればポピュレーションアプローチになる」と書いてあるところにピンク色のマーカーをつけられていた。

 

帰宅時はいろいろな駅で途中下車し散策している。阪急三宮から乗車し、阪急御影駅で途中下車をした。犬をつれて散歩している人が多い。駅から香雪美術館の周りを一周し、御影駅に帰るまで犬の散歩をしている人18組と出会った。大部分は中年女性だ。男性は老年と中年の2人しかいなかった。

犬の散歩をする人は、散歩をしない人に比べ心筋梗塞や狭心症の発症が少ないことが報告されている。虚血性心疾患予防のためにも、男性はもっと歩くことが必要だ。

 

エコカーができれば資源小国の日本も助かり、地球温暖化対策にもなる。自動車会社には、男性が歩いて楽しい遊歩道を作ってもらうと有難い。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

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