メタボ指導とロールプレイ

2008年2月 7日
 2008年1月30日から3日間ハートピア京都で保健指導者研修会があった。

 京都、大阪、滋賀や岐阜、福岡、大分など西日本各地から110名が参加した。9割近くは女性で、20歳代の保健師、管理栄養士さんも多い。男性は10数名で50歳代が多い。

 2月1日午前中、石川雄一日本ヘルスサイエンスセンター代表による「行動変容をおこす保健指導の取組」の講演があった。声の大きさに度肝を抜かれ、一瞬で顔と名前を覚えてしまった。

 「保健指導では最初に自分の心意気をどう示すか。魅力的な保健指導で、翌年も受けたいという気持ちになってもらうことが大切である。メタボの内容はメディアですでに知られているので、人間全体として捉えることが重要だ」と話された。

 相談者役、指導者役、観察者役の3人一組となりロールプレイを行った。口数が少なく、非協力的な中年男性の保健指導に成功すると、達成感がありそうだ。

 石川雄一先生は1978年自治医大を卒業、1980年から2年間広島県三次市にある双三中央病院、1986年から1年間広島県三次保健所に勤務しておられる。三次市は私の故郷広島県庄原市に隣接する街で、庄原格致高校の同級生が双三中央病院の総師長をしている。

 研修会で昼の時間、23分間石川先生とお話をした。出身は広島県北部ではなく広島市内で、自治医大卒業後広島県に来られたという。自治医大の一期生で、ハーバード大学にも1年間留学され、厚生労働省の医療関係者審議会専門委員もされている。

 「4月から始まる特定保健指導で、初回個別指導20分というのは短すぎるのではないか。特定保健指導の試みでは平均43分かかっている」と尋ねた。「最初のつかみを20~30秒にして、ポイントを決めて訓練を行えば、20分でも可能になる」と答えられた。

 「20歳代の若い保健師、管理栄養士さんが40、50歳代の管理職や自営業の男性に人生や生きがいを解くのは難しいのではないか」と聞くと「若い人達は、逆に教えてもらうことによって会話が成り立つ」と言われた。若い人達の力で2008年4月から特定保健指導が始まる。

 2月6日昼食後、女瀬川沿いを歩く。対岸の土手を通行する人の半数はマフラーを巻いている。もう15年以上、私はマフラーも手袋もしていないことに気付く。

 高槻健管センターに帰ると玄関の花壇に、薄紅色のシクラメンの花が眩しく咲いていた。木漏れ日浴びた薄紅色のシクラメンが、去年の冬に咲いていたのかいなかったのか、思い出せない。花は見ようと意識する人にしか見えない。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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