USC同窓会と大阪大学

2007年11月14日
 2007年10月27日午後6時30分から、南カリフォルニア大学同窓会(USCグローバルカンファレンス)の閉会レセプションがあった。

 芸術家は医師とは遠い存在だと思っていたが、ここに来ると近い存在になる。どこに立ってシャンパンを飲んでもいいのだが、新聞社社主の周りには経済界の人などが集まり、話に行きにくい。私の近くには映画やゲーム関係者が集まっている。医師、芸術家、科学者は近い存在なのかもしれない。

 午後7時30分からディナーが始まった。35番テーブルだった。右隣はUCLA(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校)で救急医療を担当されていた医師だった。USCの奥さんに付いて来られたという。向かい側に座っている女性はインド人かと思ったら、シンガポール人だった。

 左隣の人は典型的な日本人に見えたがインドネシア人で、スマトラ島でオイルを扱っておられた。インドネシアの人は「ジャパニーズレストランに行けば日本人と間違われ、韓国レストランでは韓国人に、中国レストランでは中国人に間違われる」と言われる。日本人から見ても区別できないのだから、米国人にとってアジア人は皆同じに見えるかもしれない。

 ディナーでは小林東雲氏が大広間の前面を使って、大きな水墨画を描かれた。小林東雲はアメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ諸国で水墨画を描き高い評価を受け、世界中の人と交流されている。和服を着た若い女性が筆を使って、中央上に「へ」の字のような文字を書いた。東雲は腕組みをしながら、それをじっと見つめていた。

 構図を決めると大きな丸い筆を使い、画面いっぱいに2時間で一気に水墨画を描ききった。海辺に左の陸から突き出た松があり、馬が後ろ足で蹴り立とうとしている。「へ」の字の部分は松の木の枝になっていた。描かれている間、「太鼓マスターズ」4人の男女による和太鼓の演奏があり、米国人がカメラを持って盛んに撮影をしていた。

 大阪大学医学部を卒業したという思いはあっても、大阪大学を卒業したという感じがしない。私は大阪大学理学部卒業のサントリー佐治敬三会長や、同じく理学部を卒業したソニーの創業者盛田昭夫の講演も聴きたかった。他学部の人は、大阪大学医学部卒業の漫画家手塚治虫の話も聴きたかっただろう。

 大阪大学に留学し、帰国して活躍している人も多い。大阪大学同窓会(グローバルカンファレンス)を開催したら面白いと思った。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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