USC同窓会と中国高齢化社会

2007年11月 5日
 2007年10月27日ヒルトン東京での南カリフォルニア大学(USC)同窓会のカンファレンスでは、USC教授による「21世紀における高齢化社会の論点」が講演された。

 世界で2006年5億人だった60歳以上の高齢者は、2030年には10億人、2050年には20億人になる。

 中国や日本では3世代家族が減り、2世代家族が増えている。高齢化社会で新しいマーケットもできる。高齢者が安全に住めるように、階段や段差のない家、安全な浴槽などの需用が増えると考えられる。

 「高齢者の住宅対策は、どこが中心となって行うのか」という質問に対し、USCの教授は即座に「中国ではガバンメント(政府)が、日本ではカンパニー(企業)が中心となるだろう」と答えられた。

 USC出身で香港に拠点を置く投資、不動産、ホテルグループ会長の「環太平洋における経済挑戦」の講演があった。3万社を有し、エンロン社やモトローラ社と関連を持ち、世界の経済に影響力を持つ人物に興味があった。

 聴衆の7~8割は米国人で、中国人も多く、日本人は近くに見かけなかった。日本人は会社が忙しくて、ヒルトン東京に来る余裕はない。会場は満員となり補助席まで用意された。

 大きな声で、身振り手振り体全体で話されていた。スピードのある話の中で少し間が空き、次に何を言われるかと集中している絶妙のタイミングで「予想もしなかった大胆な落ち」を言われ、会場は「ウォー」と沸いていた。

 講演が終わると、聴衆は5分の1に減った。ディナーまでの時間、海外から来た人は東京観光に、東京に勤務している人はオフィスに戻ったのだろう。午前中の米国政府高官だった人も講演の後、多くの人に囲まれていた。政界、財界の力のある人物の所には人が集まる。

 3日間ヒルトン東京で朝食をとった。米国人が大部分で、中国人も多い。最初の2日間、朝食時レストランで日本語が聞こえてこなかった。バリ島やベトナムのホテルより日本人が少ない。USC同窓会の受付も香港の人達だった。米国からみると、東京は日本ではなくアジアの中心都市としてみているようだ。

 大阪では東京一極集中と言って、東京のことしか頭にない。ヒルトン東京にいると、東京は香港、上海などを相手に、アジアの中心都市としての座を守ろうと激しい競争をしていると感じた

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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