USC同窓会と肥満・糖尿病

2007年10月30日
 2007年10月25~27日の3日間、西新宿にあるヒルトン東京で南カリフォルニア大学同窓会(USCグローバルカンファレンス)が開催された。

 20日午後6時30分レセプション会場に行った。受付は日本人女性に見えたが英語しか通じない。フロアにいる人の大部分は米国から来ている駐在員のようだ。場違いな所に来たような気がして、ディナーが始まる7時30分まで1221号室に戻った。

 自宅に「知った人が1人もいない。受付の女性も日本語ができない。九州大学の福島正孝先生も、旭川医科大学の高杉佑一先生も、群馬大学の高橋正樹先生も来られていない」と電話すると「みんな忙しいわよ」と妻に笑われてしまった。

 ディナーの円形テーブルは10人掛けで40あり、私は23番テーブルに指定されていた。名刺交換が始まる。同じテーブルで日本人女性と思った2人は香港と上海の人で、日本語ができる人がいない。

 USCの卒業生である千葉ロッテマリーンズのバレンタイン監督の鏡割りから始まった。「皆さん今晩は」と最後の「頑張りましょう」の間は、流暢な英語で場内大爆笑だった。ディナーはフランス料理のフルコースだった。

 これから2時間、知らない外国人の中でどうしようかと不安だったが、右隣の婦人が優しい人でよかった。日本人と話し慣れているようで、ゆっくりと分かり易く話して下さった。夫はUSCの教授で、10年前早稲田大学に6ヶ月間おられ、東京暮らしをされたという。

 私が肥満・糖尿病の専門家だと知ると「糖尿病の先生は忙しいでしょう。アメリカでは糖尿病が増えている。私も糖尿病でHbA1cが6.5だが、3か月に1度の通院になっている」と言われた。このテーブルにはUSCの教授が4人おられるという。

 左隣はUSCの疫学の教授だった。中国から来ていた留学生数人と一緒に、中国の都会と田舎の疫学について研究をしており、北京からの帰りだという。米国での肥満対策を聞くと「子供の時からの食育が大切だ。野菜を食べること。娘にはファーストフードへは1か月に1~2度しか行かないよう言ってある。日本食がいい。魚を食べること」と言われた。米国では特別目新しい肥満対策は行われていないようだ。

 白ワインと赤ワインの力を借りて、単語を羅列した英会話をしていると、いつの間にか時間が経っていた。トランペットの演奏と歌があり、日本では珍しいアンコールやスタンディングオベーションがあった。

 予定時間より40分オーバーの10時10分にディナーは終了したが、これは翌日から始まる経験したこともない桁外れなカンファレンスの序章にすぎなかった。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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