韓国とメタボリックシンドローム

2007年9月27日
 2007年9月16日、新聞に「アジアに広がる肥満予防の波」の特集記事が載っていた。

 アジアでも経済発展ともに、メタボリックシンドロームになりやすい内臓脂肪型肥満が増加している。特に経済の急成長をとげた韓国は、糖尿病や小児肥満が倍増し、国や医学会が実態把握し、教育キャンペーンの準備を進めているという。

 先進30カ国が参加しているOECD(経済協力開発機構)によると、2005年の韓国のCTスキャンの普及率は100万人当たり32.2台と日本の92.6台に次いで多い。MRIの普及率も韓国は日本に次いで多い。ソウルでは健康に対する関心が高く、CTスキャンによる内臓脂肪測定も含めた健診は1年半待ちの所もあるそうだ。

 1989年8月25日からソウルで開催された第14回国際栄養学会に招待された。「CTスキャンによる新しい肥満の分類」のタイトルで、内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満について講演をした。韓国では国際行事に力を入れていた。ボディチェックをされて入った会場では、韓国大統領が開会の挨拶をされた。

 宿泊はロッテワールドホテルが用意されていた。プロ野球のバレンタイン監督は南カリフォルニア大学出身(USC)だ。千葉ロッテが優勝すれば、USCの同窓会も盛り上がるだろう。政界の動きを見る時、政党や派閥に目が向きやすいが、学閥を見た方がわかりやすい場合もある。

 1983年から留学したロサンゼルスには韓国の人が20万人と多かった。隣の人も韓国出身のエンジニアで、韓国料理を教わったり、日本では報道されない韓国情報も聞くことができた。ロサンゼルスには韓国スーパーもたくさんあり、肋骨を輪切りにした形の骨付きカルビやキムチなどを買った。

 数年前、「冬のソナタツアー」に行った。春川高校(チュンチョン)の塀の前や、南怡島(ナミソム)の雪だるまの前で写真を撮った。観光バスの中の男性客は私1人で、母娘連れもいたが、中年の婦人グループが大半だった。私は「奥さんについて来られて、優しいんですね」と言われ、妻は「ご主人は韓流ドラマに理解があっていいですね」などと言われている。

 韓流ドラマは女性しか見ないという固定観念を持っている。ツアーの申し込みは私がしたのだ。ソンスンホンが主演した「秋の童話」「夏の香り」は、ユンソクホ監督の季節感あふれた色彩鮮やかな映像を観るだけでも値打ちがある。

 焼き肉はハラミなど脂身の少ないものにし、ナムルやキムチなど野菜を多く食べるとメタボリックシンドローム対策によい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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