健康保険制度とメタボリックシンドローム

2007年8月 2日
 2007年7月27日、東京で「特定健診・特定保健指導」について、厚生労働省健康局生活習慣病対策室の講演があった。

 40~74歳の5619万人が対象となる。内訳は組合健保1044万人(被保険者689万人、被扶養者355万人)、共済組合358万人(252万人、106万人)、政府管掌健保1461万人(1046万人、415万人)、市町村国保2571万人などである。

 健保、共済、政管の本人と国保の本人・被扶養者は従来通りだが、健保と政管の被扶養者は住んでいる地域で健診・保健指導を受けてもよいなど複雑だ。健診や保健指導の受診率の目標値も、健康保険の種類によって異なる。

 年金制度と同じく複雑怪奇で、医療職に携わる者にとって理解が容易ではない。厚生労働省の人も制度にエネルギーを割かれ大変だ。各健康センターの人にとっても、被扶養者である家族の住所を調べるなど大変な作業となる。これまでの歴史があるのだろうが、一元化できないものか。

 女性の腹囲測定については、明らかに痩せたBMIが~20の人は腹囲測定をしなくてよい。BMIが20~22の人は自己測定でよく、BMIが22~の人は医療者が測定するとのことだ。

 翌7月28日、妻に引かれて鈴虫寺に4度目のお参りをした。京都の洛西にある鈴虫寺は通称で、臨済宗の妙徳山華厳寺という。濃い緑と竹林に囲まれており、真夏に訪れるのは初めてだ。京都の夏は暑い。80段ある石段を昇ると、耳の後ろに汗が伝わる。

 地蔵さんに黄色いお札を手に持って自分の住所と名前を言い、1つだけ願い事をすると叶うという。何事も興味を持って見ないとわからないものだ。地蔵さんが草鞋(わらじ)を履いていることに、4度目のお参りで初めて気が付いた。何度もお寺に行かなくても、地蔵さんが1軒1軒歩いて、願い事をした人の家に来てくれるという。

 5月の連休や紅葉の時期は2時間待ちだが、10分待ちで入ることができた。華厳寺は鈴虫寺と言われるだけあり、9000匹の鈴虫が年中鳴いている。200人入ることのできる室内は、鈴虫を飼うためクーラーが効いていて涼しい。お茶とお菓子を頂きながら、住職の講話を聴く。

 「お寺に観光気分で来る人が多くなり、合掌する人が少なくなった。お寺は手を合わせ、自分自身を見つめ直す所だ。最近は顔に表情のない人、視野が狭く自己中心的な心を持つ人が多くなった。にこやかな顔をして、心にゆとりを持って生きていると、人が集まり縁もできる。感謝の心を持ち、自分を律して生きて欲しい」と住職は言われた。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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