徳川ゆかりの街とメタボリックシンドローム

2007年7月25日
 2007年7月21日、愛知県名古屋市ホテルアソシア名古屋ターミナルで「メタボリックシンドロームの概念と保健指導」の講演を行った。座長は豊田クリニックの大谷由幸院長がされた。

 近づいてきた2008年4月からの特定健診・特定保健指導に、開業医の先生方も熱心だ。なぜこの制度ができたのか?医師はどう関わって行けばよいのか?健診後のアフターフォロー・治療・保健指導はどのようにすればよいのか?など多数の質問が30分以上つづいた。

 来年から、本人だけでなく40~74歳の被扶養者も対象となる。医師とその家族の受診率に、国は注目しているという。医師会の方々もどこで健診・保健指導を受けたらよいのか、自分自身のこととして考えられている。

 翌7月22日名古屋観光ルートバス「メーグル」で市内観光をした。メーグルは産業技術記念館、ノリタケの森、名古屋城など10カ所に停まり、何度乗車しても1日500円だ。日曜日は30分毎に出発し、子供もいたが老夫婦も多かった。

 尾張徳川家の庭園「徳川園」に行った。池泉回遊式庭園を一周すると首筋から汗が伝う。冷暖房の効いた室内だけの生活より、夏は暑く冬は寒い方が日本の四季を感じる。
 渓谷美の「虎の尾」を登り切ると、落差6mの「大曽根の瀧」がある。名古屋市内のど真ん中に濃い緑がある。人影がなくなるのを見はからい、胸一杯に徳川の空気を吸って、滝の音を聞きながら太極拳十字手を舞った。

 徳川美術館は現存する「源氏物語絵巻」4巻のうち3巻を保存している。引目かぎ鼻、眉の濃い下ぶくれの顔の女性が描かれている。一筆書きのような細い目は、笑っているようにも悲しんでいるようにも見える。国宝となっている徳川家康の太刀は、気品があり曲線が美しい。
 子供用のデンタル御文庫「ようこそ古典の世界へ」では漢文として矛盾と蛇足の由来2つが、徒然草では52段:仁和寺にある法師の岩清水八幡宮、53段:仁和寺にある法師の鼎(かなえ)、109段:高名の木のぼりの3つがあった。いずれの話も子供に理解しやすいものだ。だが美術館内には子供の姿は見えず、画面に向かっているのは団塊の世代ばかりだった。

 5時間で名古屋の街を、1万4000歩ほど歩いていた。名古屋の高齢者は1日500円で十分楽しむことができる。徳川ゆかりの街名古屋でも、特定健診・特定保健指導への取り組みが始まっている。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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