小児メタボリックシンドローム診断基準

2007年5月 1日

 2007年4月2日の朝刊に、厚生労働省研究班(代表大関武彦浜松医科大教授)の小児メタボリックシンドローム診断基準が載った。

 腹囲80cm以上の基準を満たした上で、空腹時血糖100mg/dl以上、中性脂肪120mg/dl以上またはHDLコレステロール40mg/dl未満、血圧125/70mmHg以上のうち、2つ以上あてはまるものをいう。

 2007年4月29日京都知恩院の北にある青蓮院(しょうれんいん)のライトアップを観に行った。ブルーライトの数だけ心の中の願い事が叶うという。ひと時の静寂の中、お抹茶とそば饅頭をいただきながら、小堀遠州作の庭園を眺める。霧島つつじは満開だ。

 その部屋には4枚の天皇・皇后両陛下のお写真があり、2002年5月27日と記入してある。私が皇后陛下美智子様とお話をした翌日の写真だ。

 2002年5月26日京都国際会議場のメインホールで、両陛下をお迎えして、第26回国際内科学会の開会式が行われた。日本内科学会評議員をしていたので招待された。

 招待客の大部分が外国人で、入り口では大きな黒人がボディチェックをし、男性はカメラなど一切持ち物禁止、女性は小さなハンドバックのみとなっている。

 開会式の後、レセプションルームにいると天皇陛下と皇后陛下が入って来られた。両陛下とお話しができるとは考えてもいなかった。

 私の叔父沖原豊元広島大学学長は、天皇・皇后両陛下の御進講をしたことがある。園遊会に招かれた時、両陛下は叔父の所で立ち止まられ、声をかけられたと言う。生前叔父は「両陛下は私の顔と名前を覚えてくださっていた」と感激していた。

 皇后陛下美智子様との順番が来て
「大阪大学で肥満を研究しております徳永です」と申し上げた。次の瞬間思いもかけないお言葉が返ってきた。
「子供の肥満が増えているそうですね」とゆっくりとした柔らかな声で、皇后陛下がおっしゃられた。予期しないお言葉で、一瞬とまどった。
「大阪で肥満児健診をやっています。この20年で子供の肥満は2倍になっています」
「肥満の研究は進んでいるんですか」とつづけて皇后陛下が質問なされた。
「どんどん進んでいます」あとは何を言ったか正確には覚えていない。
 子供の肥満は重要な問題だと改めて認識した。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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